日本VSアメリカ:大学の違い編

今回は、日本とアメリカの大学の違いについて主観的ではありますが、ざっくりとまとめてみました。
個人的に通った学校を元に紹介しており、統計的なものではないので、詳しくは留学斡旋会社に聞いてみてください!
2019/8/24更新
2020/1/4更新

■システムの違い

システムというより、”大学”という定義の違いというイメージです。

日本の大学

日本の大学と言えば、基本的には四年制大学を指すと思います。
短大と言えば、二年から三年で短期集中して専門知識を学び資格や技術を取得することが多いと思います。
また、専門学校と言えば、実習やカリキュラムを通して特定の分野での知識を高める職業教育を受けることが多い。

アメリカの大学

日本で言う四年制大学UniversityまたはCollegeを指します。
で、短期大学や専門学校はCollegeなイメージ。
UniversityとCollegeの違いは、UniversityはCollegeの集まった場所。(つまりはCollegeが学科でUniversityは複数の学部がある総合大学という感じ)
Collegeは一つの学問領域がある大学、日本でいう短大や専門学校などのイメージ。

Collegeはどちらかというと小規模なイメージUniversityはかなり大きいイメージです。でも、○○Collegeだからと言ってその大学には学部が一つしかない、とかいうわけでもないので。。

また、Universityの方が大きな総合大学なら、そちらの方が難易度も質の高い、というわけでもありません。

もちろんCollegeの方が小規模で生徒数も少なく入学しやすいことが多いのですが、例えばImperial College Londonは世界ランクトップ10に入るほどの大学なので、Collegeという名前だからと言って侮ってはいけません。

アメリカの大学システムの特徴

私が少し驚いた日本とアメリカの大学でのシステムの違いは、
アメリカでは多くの学生が まずCollegeに進学し、その後Universityに編入する というスタイルを取っているということ。

最初の2年で学部の基礎知識をCollege(特にCommunity Collegeと呼びます)で学び、その後2年でUniversityに編入しBachelor(学士号)を取得/卒業します。かくいう私もこの形でアメリカ大学を卒業しました。

二種類の大学に行く主な理由は、 学費! アメリカでよく知られたUniversity大学の学費は小規模のCollegeの多くとはびっくりするほど費用が異なります。その為、多くの学生がCollegeで取れる単位はとってからUniversityに編入するスタイルを選んでいるのです。
※日本と比べ、編入する際に単位が簡単に移行出来るようになっています。


■授業料

先ほど述べた学費がびっくりするほど異なる、ということですがいくらほどなのか。

日本の大学

まず日本の大学ですが、もちろん行く大学によって異なります。(まぁアメリカでもどこでも行くとこによりますが)
比較しやすいようによく知られた大学で比較してみます。

  ①国公立大学
東京大学
②私立大学
早稲田大学※1
③短期大学
※2
入学料 282,000円 200,000円 235,300円
授業料他
535,800円 999,000円 849,699円
合計 817,800円 1,199,000円 1,084,999円


※1:政治経済学部の場合
※2:http://www.sanpou-s.net/money/calculator_school/calculator/にて計算

国立大学が安い!でも国立は合格するのが難しいですもんね、、

アメリカの大学

$1=100円で計算しています。
因みに、アメリカには入学料というものがありません。

その代わり、学生健康保険(Student Health Insurance)というものに強制加入しなければならずそれが中々高いです。200,000円くらいします。。下記では授業料”他”に含めています。

  ①University
(State:州立)※3
②University
(Private:私立)※3
③College
※3
入学料
授業料他
1,023,000円 3,583,000円 366,000円
合計 1,023,000 3,583,000円 366,000円


※3:https://trends.collegeboard.org/college-pricing/figures-tables/average-published-undergraduate-charges-sector-2018-19

ここで、

“え、アメリカの大学って意外と安いやん”

と、思った方がいるのではないでしょうか。(いや、思わないか。。?)

留学生にとって現実はそんな甘くない。

アメリカでは、ほとんどの学校で州内の生徒と州外(外国人含む)の生徒での授業料に差があります。 州外から来た学生には追加費用 がかかるのです。

留学生は、州外の生徒扱いとなるので基本的にこの州外費(out of state fee)を支払うのですが。

これが笑えない金額差。
以下にまとめてみたので参考までに。

  ①University
(State:州立)※3
②University
(Private:私立)※3
③College
※4
入学料
授業料他
2,629,000 3,583,000 800,000円
合計 2,629,000 3,583,000 800,000円


※3:https://www.topuniversities.com/student-info/student-finance/how-much-does-it-cost-study-us
※4:http://www.happyschools.com/college-tuition-fees-in-state-vs-out-of-state-fees/
※4:http://www.smc.edu/EnrollmentDevelopment/Admissions/Pages/Tuition-Fees.aspx

日本の私立大学の倍近く、アメリカの私立大学に追いつかんばかりの費用になります。

私も公立のCollegeから四年制のUniversityに編入して卒業したわけですが、大学に行ってる間も一単位足りとも落とせんっという感じで必死に勉強していました。(単位を落とすと在学期間が伸びる上に授業料がプラスされるので)



■生徒について

人口千人当たりの在学者数

日本:23.7人 vs アメリカ:38.3人*5
予想外に?アメリカの方が大学まで行っている、ということになります。さらに、アメリカでパートタイム在学生と言って、仕事をしながら学生として授業を受けている人も多くパートタイムも含めると人口千人当たり 62.3人 も大学に在学しているそう。

個人的な想像になりますが、アメリカは入学しやすいからではないでしょうか。(入学方法は以下)
また、アメリカのCollegeは地元の人間にとっては授業料も比較的安く入口が広いイメージがあります。
*5:https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/syogaikoku/__icsFiles/afieldfile/2019/08/30/1415074_0_1.pdf

年齢:25歳以上の入学者%

日本:2.7% vs アメリカ:約24%*6
これは、統計を見るまでもなく想像できました。

日本人は”高校を卒業したら、大学に行く”という考えが当然の様にあります。高校⇒大学⇒就職という流れができているの為、同級生の年齢もほとんどが同年齢か1歳や2歳程度しか差がありません。

それに比べ、アメリカは高校を卒業して一度就職してから、新しい事を学ぶために大学に戻ってくる、という人もたくさんいます。

私が大学に留学したときも、クラスに50歳くらいの人が普通にいて一緒にプロジェクトをしたりしていました。また、一度入学してからも、卒業せずに仕事を始め、何年かしてまた勉強しに戻ってくるという人もいました。

卒業率:教育修了率

日本:91% vs アメリカ:54%*6
日本人の卒業率の圧勝です。

日本は、入学自体は入試があって難しいですが、一度入るとほぼほぼ必ず卒業できるイメージがあります。逆に、アメリカの大学は入学がしやすく卒業が難しい、というイメージがあるのではないでしょうか。

そこで、勉強量や入学/卒業方法についてまとめて比較してみました。

(って入学者x教育修了率を計算したら日本もアメリカもどっこいどっこいですね。。)
*6:https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2013/05/13/1212958_004.pdf

■勉強・授業


(出典:http://toyokeizai.net/articles/-/13446)

日本の大学生

1週間の勉強時間ですが、日本の大学生には1週間で0時間の人が9.7%もいます。週10時間以内の人が全体の85%を占めてしまっている状態です。

私も日本の大学に1年だけ通いましたが、予習や復習をあまりしなくても試験前に何日か必死に勉強すれば単位は取れていた気がします。

また、日本の大学生は大学生活中にサークルやバイトなど勉強よりも没頭するものがあるイメージです。勉強は大学受験までで、大学に入れば勉強以外の経験を増やすことに重きを置いている気がします。

ただ、日本の大学は後半に ゼミ卒論 が待ち構えているので、ここぞとばかりに勉強をするのではないでしょうか。
そして、日本独特の就活!3年生でインターンシップや説明会が始まり、4年生はほぼ取る単位もなくひたすら就活に明け暮れる。

アメリカの大学生

アメリカの大学生は半数以上が最低11時間は学習に費やしていることになり、明らかに日本の学生よりも勉強熱心なイメージです。

これは、授業内での課題の量、予習/復習の必要性などが理由としてあげられると思います。

予習&出席:アメリカでは、 授業中に発言する かどうかが大きく成績に関係してくるクラスがたくさんあり、授業中に発言するには当然、予習が必要になります。しかも次の授業までに何十ページも。

課題:一週間に一科目の頻度でエッセイの課題やQ&Aの提出課題などが出るので、宿題にも時間を割かなければなりません。もちろん課題も成績に含まれるのでいい成績を取るためにみんな必ずやってきます。

アメリカの授業は1年から4年まで同じような形式なのでゼミや卒論はありません。毎科目で予習や課題をこなすことで各科目の成績が決まっていきます。

この授業に対する熱意の違いは、就活の違いが大きく影響しているのではないでしょうか。アメリカでは履歴書に成績を載せるのが当然で、成績が低ければ企業に相手にされなくなります。

日本とアメリカの授業の大きな違いは、 日本には卒論やゼミがあり、アメリカには課題が多くある ということではないでしょうか。


■入学方法

日本の大学:入試

日本の大学の入試は厳しく大学の門は難関校であればあるほど狭き門、というイメージです。
大学によって、 センター試験(もうすぐ廃止らしいですが)の成績と大学独自の入試試験 を数科目受けて、その成績によって合否が決まります。

つまり、日本の入試は1発勝負が2回

もちろん試験に向けて何度も過去問を勉強すればいいわけですが、2回のうち1回でも失敗すれば、終わり。
何だか運命に身を任せる、みたいなとこがある気がします。

そりゃあ出来る人はどんな問題もできますが、自分が得意な問題が出ればラッキーってなるのではないでしょうか。

アメリカの大学:SAt/成績書送付/推薦状

アメリカの大学進学希望者は SAT(Scholastic Assessment Test)という共通試験 を受けます。年に7回も実施され繰り返し受験することができるので失敗すればもう一度挑戦も可能です。

また、 高校時の成績表も提出 するので、高校時代も授業をしっかりと甘んじることなく受ける必要があります。

そして、日本との大きな違いが 推薦状 。高校時代の先生から推薦状を貰い、提出する必要があるのです。こちらは就活でも使うことがあります。

日本とアメリカの入学時の大きな違いは、
 日本はその時一瞬の実力を見ているのに対し、アメリカは実力+何年間かけてきた成果を見ている 点です。

アメリカはSAT以外は入学に向けた試験勉強をするということはないので、その学校だけの為に試験対策をする必要がありません。その為、申込費を出せば何校でも受験することができます

■卒業方法

日本の大学:単位取得+卒業論文

勉強・授業の欄でご紹介したように、日本の大学は単位だけでなく卒業論文も必要です。

成績もAばかりではなく単位さえ取れればとりあえず卒業+(就活を必死にやれば)就職できるので割と勉強面では楽なイメージです。

アメリカの大学:単位取得

アメリカの大学は単位が全てなので、成績が悪く、単位が取れなければ卒業することはできません。成績が満たされなかった場合は、同じ授業を再度受講しなければなりません。

また、履歴書に成績を記載するので成績が悪ければ就職先が見つかりません。4年間ひたすら勉強です。

因みに卒業式で着る帽子とガウンですが、10,000円程度で購入できレンタルすることもできます。帽子を投げて卒業式を祝ったり檀上に生徒があると家族が歓声を上げたりと楽しいイベントです。

帽子投げるの禁止にされた大学もあります。(安全性の問題で)

■その他:アメリカの大学で衝撃を受けた事

最後に余談ですが、アメリカの大学に行って個人的にカルチャーショックならぬ衝撃を受けたことをいくつかご紹介します。

・教科書の値段

日本の大学で、大学の教科書が高い云々と言っている方がいますが、アメリカはその比ではありません。
アメリカでは、年間で平均120,000円教科書代に使われているそうです。また、1冊当たり20,000円のものもあります。

因みに私は30,000円の大台も突破して1学期間で100,000円教科書代に消えたことがあります。

・エッセイ提出頻度が多い

授業の欄でも紹介しましたが、エッセイの提出頻度はびっくりするほど多いです。

結構辛かった課題で記憶にあるのが、期日が2週間後で20ページの提案書を提出する、というもの。これが、留学して2年目に出されてしまったので金土日を返上して家に引きこもってパソコンを見つめていたのを覚えています。

でも、最初はついて行けない、、と半泣きで宿題をしていましたが慣れると1ページを1時間もすればかけるようになりました。(感想文程度だと20分もあれば書けます)

・学校内にジム!

アメリカ人は日本人と比べてジムに通っている人が多いと言われますが、実際クラブの会員数も日本人の421万人(3.3%)と比べ5,500万人(17.3%)も会員になっています。※6

その為、大学の在学生向けにも大学内に大きなジムが設備されていて、学生は自由に利用できたりします。

私が在学していた大学では、2階建てのジム内に室内バスケコートが3つあり、さらにロッククライミングの壁、テニスコート、ランニングマシーンだけでも30台はあるような豪華な設備がありました。

日本では考えられない程の大きさに感動したのを覚えています。

※6参考:http://www.fitnessclub.jp/business/date/compare.html

■最後に

以上、日本とアメリカの大学の違いについて個人的な意見ではありますが実体験を加えてまとめてみました。

これから留学を考えている方には参考になるでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございます。

UKI
UKI
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