今回はアメリカの大学で授業を受ければ必ずと言っていいほど書くことになるレポートや論文で必要な、エッセイの書き方についてご紹介します。
目次-Contents-
エッセイの種類
エッセイの種類は4種類だとか8種類だとか色々言われますが、以下が主な種類*1だと思います。
項目 | 日本語 | |
1 | Descriptive Essay | 記述型 |
2 | Definition Essay | 定義づけ |
3 | Compare and Contrast Essay | 比較&対照 |
4 | Cause and Effect Essay | 原因&結果 |
5 | Narrative Essay | 解説型 |
6 | Process Essay | 手順型 |
7 | Argumentative Essay | 議論型 |
8 | Critical Essay | 批評型 |
9 | Expository Essay | 説明型 |
10 | Persuasive Essay | 説得型 |
エッセイの題材について、どのような内容をどう伝えたいかによって書き方を選びます。
フォーマット(形式)
続いて、書き方。フォーマットは課題が出る時に”APAで書くように”等の指定を教授がしてくることが多いですが、何も言われない場合はMLAかAPAが一般的なのでその形式でまとめておけば無難だと思います。
1.MLAフォーマット
MLAフォーマットは文学や語学について記述する際に良く用いられる形式です。*2
私のCollege生活中のエッセイ課題は、基本的にこのフォーマットを用いていたのでかなり馴染みのある形式です。
MLA Format | 日本語 | |
Font(フォント) | 12pt, Times New Roman | |
Spacing(行間) | Double Spaced | ダブルスペース(1行空ける) |
Margin(余白) | One-inch margin each side | 上下左右1インチ(25.4 mm) |
Page Numbers (ページ番号) |
header on the top right, last name and page number |
ヘッダーの右上 苗字&ページ番号 |
以上の基本的なフォーマットに加え、MLAでは以下をタイトルの上に左揃えで記載します。【自分の名前、教授の名前、クラス名、日付】
2.APAフォーマット
APAフォーマットは心理学や社会学、教育関係について記述する際に良く用いられる形式です。*2
MLA Format | 日本語 | |
Font(フォント) | 12pt, Times New Roman | |
Spacing(行間) | Double Spaced | ダブルスペース(1行空ける) |
Margin(余白) | One-inch margin each side | 上下左右1インチ(25.4 mm) |
Page Numbers (ページ番号) |
header on the top right, short title and page number |
ヘッダーの右上 題名&ページ番号 |
以上の基本的なフォーマットに加え、APAでは以下を1ページ目に中央揃えで記載します。【タイトル、自分の名前、大学名】※クラス名や日付が必要な場合も
また、2ページ目はタイトルではなく”Abstract”で始め、字下げを行いません。
3.Chicago styleフォーマット
Chicago styleフォーマットは機械工学や歴史、技術関係について記述する際に良く用いられる形式です。*2
MLA Format | 日本語 | |
Font(フォント) | 12pt, Times New Roman | |
Spacing(行間) | Double Spaced | ダブルスペース(1行空ける) |
Margin(余白) | One-inch margin each side | 上下左右1インチ(25.4 mm) |
Page Numbers (ページ番号) |
header on the top right, last name and page number NO number the title page |
ヘッダーの右上 苗字&ページ番号 表紙はページに含まない |
以上の基本的なフォーマットに加え、Chicago styleでは以下を1ページ目に中央揃えで記載します。【タイトル、自分の名前、クラス名、教授の名前、日付】また、Chicago stypeは参考文献の記載方法が特徴的で、Footnotes(各ページにフッターに記載)またはEndnotes(最後のページ)と呼ばれるものに加えBibliographyが必要になります。
4.その他
その他、CSE形式やAMA形式などがあります。
ただ、MLAとAPAが一番有名な形式なので、この二つをつかんでいれば基本大丈夫だと思います。(私なんて指定なければ基本MLAフォーマット使ってました)
因みに、参考文献の記載方法が異なり、さらに参考文献の呼び方も違います。
参考文献の呼び方 | |
MLA Format | Work cited |
APA Format | References |
Chicago Style | Footnotes/Endnotes & Bibliography |
全体の構成
エッセイはIntroduction【紹介】&Body【展開】&conclusion【結論】で構成されます。
Introduction(紹介):『起』
Introduction【紹介】 | |
Hooks | 読者を惹きつける強い見出し文 |
Thesis statement | 命題 |
Transitional statement | 説明への繋ぎ |
イントロダクションはエッセイにおいて最も重要なThesis statement【命題】を記述するする必要があります。
Hooks【惹きつけ】
フックと呼ばれる文頭の内容は、読者を惹きつける面白みを持つ必要があります。読みたいと思わせるような内容に。
Thesis Statement【命題】
セーシスと呼ばれるこの命題の一文は、エッセイにおいて心臓ともいえる重要性があります。この命題で、エッセイで何を伝えるのか、どういった話をするのかを一言でカッコよく伝える必要があります。
私が大学で受講した教授には、命題の言い回しが一番大切だとして命題の書き直しを何度もさせられたことも。。
Transitional statement【繋ぎ】
トランジションと呼ばれるイントロの終盤には、ボディーに繋げる為にこれから何が書かれるのかにおわせるような文章と、ボディーへ自然に移行する一文が必要になります。
Body(展開):『承』⇒『転』
Body【展開】 | |
Topic Sentence | 段落の主題 |
Support Sentence | 詳細説明文 |
Transition | 命題&次の展開へ繋げる |
ボディーパラグラフはイントロで紹介した内容を(証明・説明・議論等々エッセイの種類により内容が異なりますが)展開していきます。
ボディーパラグラフは、エッセイの課題によって数を増やしたり減らします。その為、必ずしもボディーパラグラフが3つというわけではなく、必要であれば増減します。
Topic Sentence【段落の主題】
トピックセンテンスでは命題で紹介した内容をいくつかのトピックを使って展開していきます。
Support sentence【詳細説明文】
サポートセンテンスでは段落の主題に取り上げた内容を支持する説明をします。エッセイの種類によって説明内容や方法は異なりますが、統計データなどの情報や、事例、実体験、権威者の発言、詳細な説明などを利用して自分の主題を細かく書いていきます。
Transition【繋ぎ】
ボディーパラグラフの命題への関係とつぎの話題へ自然と繋がる文章でパラグラフをしめます。
Conclusion(結論):『結』
Conclusion【結論】 | |
Restate Thesis Statement | 命題の言い直し |
Summarize Main Points | 各段落の要約 |
Final Statement | 結論の説明 |
コンクルージョンは最後のまとめにあたります。
Restate thesis statement【命題の言い直し】
命題を言い直します。全く同じ言い方ではなく、
Summarize main points【各段落の要約】
ボディーパラグラフで展開した内容をまとめて要約します。
Final statement【結論の説明】
最後に結論を述べエッセイをまとめます。
エッセイで使える表現&言い方
Transitionと呼ばれる次へ繋げる文章を書く際に良く使うフレーズや単語で学校でよく紹介されたものを挙げておきます。*4
トピックを並べる
first, second, third, in addition, also, moreover, not to mention, as well as, likewise, comparatively, equally, identically, uniquely, furthermore
反論
but, however, although, whereas, in contrast, different from, on the other hand, above all, in reality, after all, besides, in spite of, instead, otherwise, nevertheless
例
in other words, that is to say, by all means, in fact, in general, in particular, to clarify, certainly, surely, indeed, such as, especially, frequently, significantly
原因、目的
if, granted, in case, given that, on condition, for the purpose of, in order to, being that, due to, while, because of, since, so that, when, so as to
結果
as a result, for, thus, consequently, accordingly, therefore, after all, to sum up, ultimately, in any event, as shown above, in a word, altogether
時間の流れ
before, after, meanwhile, during, sooner or later, until now, to begin with, immediately, shortly, occasionally,once, since, hence, about, by the time
場所
in front of, in the middle, here, over, near, opposite to, among, beneath, across
などなど、ボディーパラグラフをスムーズに次に繋げる際や文章同士の関係をわかりやすく接続する際に使うTransitional words(繋ぎ言葉)をまとめてみました。
エッセイを書く際は読み手に内容が分かりやすく伝わるようにこの繋ぎ言葉を上手く取り入れて文章を構成していきます。
注意点
エッセイの構成や形式を踏まえて以下の点に注意してください。
ー参考文献の引用
ボディーパラグラフのSupport sentenceを書く際に外部から情報を取ってきて書く場合は、参考文献の記載が必要です。(記載しないと盗用になります)
参考文献の引用の仕方は上記で紹介した形式によってことなるのでそちらもご注意を。
Thesisが重要
命題は、エッセイを書く上で最も重要なポイントの一つです。何について書くかということも重要ですが、命題をどのようにして書くかでエッセイの構成が大きく変わります。
何を書くか、命題をどうまとめるかを熟考して書くようにしましょう。(文才のない私は何度やり直しを言われたことか。。)
ページ数や文字数に合わせて全体の構成バランスを整える
例えば、課題ページが2ページの場合と4ページの場合で、ボディーの量を同じ2パラグラフ(2段落)の構成で作成すると、4ページ分の課題レポートや論文を作成する方では、ボディーの内容に行き詰まり書く内容がなくなってしまう可能性があります。(もちろんこの構成で書く内容が充実していれば問題ありませんが。)
課題のページ数が多くなればその分、ボディーの数を増やし説明するテーマを2個から必要分に増やして、長さ調整をする必要があります。
単語は間違えるもの
英語でエッセイを書く上で、単語を間違えるのは当然あり得ることです。
単語が間違っているか心配するよりも、最終提出までにどうやって間違えた単語を見つけて訂正するかを考えましょう。
・ネイティブの友達に一度読んでもらう
・大学の添削サービスを利用する
・辞書で類語(Synonym)を調べる
などを利用して単語の間違いを減らしましょう。
特に私は、大学の添削サービスを毎月のように利用していました。無料でマンツーマンで対応してくれ、言いたい内容を口答でぎこちない英語で説明すれば『こういうこと?』っと言って私の分かりにくい英語を素敵な英語表現に言い換えて教えてくれました。
日本でもオンライン英語添削[アイディー] など添削してもらえるサービスがあるのでそういったサイトを利用するのも有。
スペルミスは減点の対象
残念ながら、スペルミスをすると減点の対象になります。ワードにある、文章校正の機能を必ず利用し、スペルミスは最小限に抑えます。
参考文献は意外と見つかる
・大学のウェブサイト
大学では全ての在学生が利用できるサイトがあります。こちらはフル活用して、エッセイに必要なネタを探しましょう。
・ネット検索
Google検索で見つかる情報も利用します。ただし、データ元の信憑性がないものもあるので情報元が正しいのかどこから来たのか確認が必要です。
・図書館で
古風ですが、図書館で資料となる本を探すのも貴重なソースになります。
試験で出たら構成だけはしっかり守って!
そうなんです。期末がエッセイの課題になることがあるんですね。死ぬ思いで単位取りましたよ。だって辞書もないのに2ページくらい英語で語らないといけないんですよ。語ることないし。
でも、どんなエッセイも言いたい事とポイントを全体の構成に沿ってまとめて行くだけです。起承転結にそって、答えをまとめるだけなのです。(だけって感じではないですがね)
そんなときは⇒すぐに書き出さずに整理する!
日本語で書く場合もですが、いきなりエッセイを書き始めることはとても難しいです。まずは、ノートに論点や書きたい内容をまとめ、資料を集めてから文章をまとめていきましょう。
どうでもいいけど
エッセイの書き方ではさほど重要ではないですが、海外の大学に留学中に感じたことをご紹介しておきます。
ホッチキスの位置
私が受講した教授で一人だけ、ホッチキスの止め方にこだわりがある人がいました。
課題を提出した生徒の中にホッチキスを変に止めた人がいたらしく、『見ずらいねん!』と怒ってました。
教授に怒られないように、ホッチキスはこう止めてね。
※因みに、ホッチキスは英語で”stapler”(ステープラー)と言います。但し、左利きの教授など人によっては右上を好む人もいます。結局ホッチキスは読み手が見やすいように止めるので指示があれば言われたように止めましょう。
最後に
今回は、大学で学んだエッセイの構成や形式についてMLAやAPAなどを比較しながらご紹介しました。
英語で論文を英語で書く際は、書式や形式にも注意して書く必要があるので注意してください。上記内容が参考になれば嬉しいです。
ただし、課題を出した教授や提出先のルールや形式が一番重要なので、まずはその形式に沿ってエッセイを構成してください。

感想などちょっとしたことでもとても嬉しいのでお待ちしてます。
*1:https://eliteessaywriters.com/blog/types-of-essays/
*2:http://www.trinewrite.com/writing-guides/how-to-tell-the-difference-between-ama-apa-chicago-mla-format/
*3:https://www.vappingo.com/word-blog/essay-formatting-how-to-format-an-essay/
*4:http://www.smart-words.org/linking-words/transition-words.html

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