アメリカで困った独自単位の数々:米国慣用単位について

今回は、知られているけどここまでめんどくさいのか?と思うアメリカで数値を表す独自単位についてご紹介します。

■どこの国で使われているか

アメリカ。

他にもミャンマーとリベリアでも使用されているようです。ただ、リベリアではメートル法への移行が進み現在ではほぼ使用されておらず、ミャンマーでも2013年にメートル法への移行を準備をしていると宣言されました。*1

あんなに広いのに世界中で使われている単位に合わせてないところが、アメリカらしいというか。。一応、何度か単位を変更しようとはしたみたいですが残念ながらまだ実施に至ってはいないようです。

ただ、1994年以降に連邦法で、消費財に慣用単位とメートル法の両方の記載が義務付けられているので、以下のようにものを買うときは量に困ることはありません。(355ml)
因みに、日本の缶ジュースのサイズはこちら。(350ml)
そう。ご覧の通りアメリカの缶ジュースの方が5ml分多いんです!アメリカの慣用単位に合わせているから、いろんな商品ですこー―――しずつではありますが量が違うことがあります。

統一すればいいのにねー。

■そもそもなぜアメリカは独自単位を使うのか

単位の違いがどうしてアメリカ独自で存在するのでしょうか。それには歴史と深い関係があるそうです。

そもそも、米国慣用単位はアメリカ合衆国が独立する前のイギリス帝国で使用されていたイギリスの単位から発展してきたものだそう。当のイギリスは、20世紀後半までにメートル法への移行していったのですが、、アメリカは米国慣用単位として独自の単位を使っています。*2

ほとんどの慣用単位は、メートルやキログラムに基づいて再定義され変換できるようになっています。

では、独自単位にはどのようなものがあり、メートル法で表すとどれくらいの単位なのでしょうか。


■独自単位の種類

アメリカでの独自単位の種類はいくつもあるのですが、よく使う主要な単位をご紹介いたします。

―気温/温度
・単位

アメリカでは、摂氏ではなく華氏を使用しています。

日本語 英語
摂氏 Celsius:セルシアス
華氏 Fahrenheit:ファーレンハイト

それぞれの頭文字を取って〇℃〇℉と表記します。(因みに私はこの華氏の英語発音が嫌いです。言いにくい。)
物理を勉強した方ならご存知だと思いますが、換算式は以下のようになります。

F= 9/5 C + 32

正直言って、ややこしい!!! 9/5って。しかも、水の融点と沸点が華氏はものっそ中途半端です。

華氏(℉) 摂氏(℃)
融点 32℉ 0℃
沸点 212℉ 100℃
・困った時

私はアメリカの大学で物理の授業を受講したのですが、この単位の問題は重くのしかかりました。

物理の授業の最初のテストで、サービス問題でこの融点と沸点の問題が出たのですが、摂氏なら0と100で解答できたところが換算式も分からず。サービス問題のはずが、難問。覚えてへんし。

また、友達に

“I had a fever of 100 (degrees).”(100度の熱があったよ)と言われ。

?? それは高いの?何なの?”と、すぐに換算式が浮かぶわけもなく状況が読めないまま分かったふりしてニコニコするしかない。(風邪やからニコニコしてへんで心配せなあかんのに)

・気を付けるべき表現

温度の単位で使うため、以下の温度を説明するときは華氏表現にしないと基本的に相手に伝わりません。
・気温
・体温
・水温
・設定温度(料理の)

他にも温度の話をするときは摂氏℃で説明しても、日本人に華氏℉で説明するのと同じ感じで、それはいったい何度なんや?という感じで聞き返されてしまいます。

―重さ
・単位

アメリカでは、重さの単位は以下のようなものを使います。

単位  記号  VSパウンド SI換算
(日本での単位)
トン
(ton)
ton 2000 lb 907 kg
パウンド
(pound)
lb 1 lb 453 g
オンス
(ounce)
oz 1/16 lb 28.3 g

※四捨五入計算しています。

一番メインで使われる質量の単位はパウンドです。その為、パウンドが大体どのくらいの量かは覚えておいた方がプラスです。(私は1キロの約半分と覚えていました。)

・困った時

・買い物
日本VSアメリカ:スーパーの違い編でもご紹介しましたが、アメリカでは野菜などを重さ単位の金額でします。その為、”1個当たり○円”ではなく”1パウンド当たり〇円”と表記されています。

商品がいくらくらいになるかは1パウンド(453 g)が分からないと感覚がつかみにくいので、

“これは1個一体何円なんや…”となってしまいます。

できれば、パウンドの重さは大体で理解しておくべきかなーと思います。

・気を付けるべき表現

・体重
免許証を発行する時や病院に行く時など、施設で体重を聞かれる際はパウンドで答える必要があります。

私も免許証を発行の為に初めて”How much do you weigh?”と体重を外国人に聞かれた際は、”45 kgです!”とはっきり答えましたが、”in pounds?”と聞きなおされ、、”100lb.”と言い直していました。

自分の体重はパウンドで答えられるように、予め覚えておいた方がいいかと思います。

―水/液体
・単位

液量を表現するときもアメリカでは独自の単位を使っています。
それはガロン(gallon)。そしてガロンに合わせて少量の単位変換があります。以下表

単位  記号  VSガロン SI換算
(日本での単位)
ガロン
(gallon)
gal 1 gal 3.785 L
クォート
(quart)
qt 1/4 gal 946.4 ml
パイント
(pint)
pt 1/8 gal 473.2 ml
オンス
(ounce)
fl oz 1/128 gal 29.57 ml

※四捨五入計算しています。

ここで、注目していただきたいのが、ガロンから他の単位への換算方法。1000倍単位ではないんです。分かりにくい。それぞれの単位ですが、特にガロンとオンスはよく出会います。

また、オンスは質量と液量の2種類の単位に対して使われているので注意です。

因みに、私はガロンが大体3.8リットルということだけ覚えて他の単位は感覚でしか覚えていなかったので4年半留学しましたが、未だにパイントは何mlとか言われても分かりません。

・困った時

・ガソリンを入れるとき

ガソリン量の単位はガロンで表記されています。そのため、アメリカでは何ガロン車に入ってそれがいくらくらいなのか、頭の中で大体計算する必要があります。

上記写真の量で計算すると、2.79ドル/ガロンなので
2.79=2.79ドル X 110円/ドル=306.9円
306.9円 ÷ 3.785L= 81円
つまり、1リットル当たりのガソリン代は81円

日本と比べるとかなり安めじゃないでしょうか。車社会なのでガソリン代の高騰には私生活でかなり影響を受けますけど。

生活していくと上記の計算はもちろんしなくなります。2.79ドル/ガロンで大体高いか安いか判断してガソリンを入れるように。つまりこまったのは最初だけ。

・気を付けるべき表現

・お店で飲み物を注文する時
お酒にもこの液量の単位を使います。
特にビールやショットの量が日本と違うので、注文の際は注意が必要です。

日本の生中は350ml~500mlだそうですが、アメリカでは基本的にPint(パイント):473 mlのサイズで提供され日本の様にビールのサイズを聞かれることはほとんどありません。

また、ショットは日本では大体30mlですが、アメリカでは大体45ml*3ほどの大きさです。その為、アメリカでショットを注文する際は注意が必要。(見てわかるくらい量が多めです。)


―長さ
・単位

アメリカでは、以下の長さの単位を使います。

単位  記号  VSフット SI換算
(日本での単位)
インチ
(inch)
in “ 1/12 ft 25.4 mm
フット
(foot)
ft ‘ 1 ft 30.5 cm
ヤード
(yard)
yd 3 ft 91.4 cm
マイル
(mile)
mi 5280 ft 1.61 km

※四捨五入計算しています。

上記のinchとfootとmileは良く使う単位です。footに関しては複数形がfeet(フィート)になるので注意が必要です。

また、inchからfoot、footからmileへの計算方法がややこしいので、それぞれのサイズを覚えてしまった方が簡単だと思います。私は、inchが親指くらいで2.5 cm、footは30 cm、ヤードは1mないくらい、マイルは1.6 kmと覚えてしまっていました。

・困った時

・身長
体重と同様身長についても、施設で聞かれた際はアメリカ独自の単位を使って説明しなければなりません。自分の身長に関しては、覚えてしまいます。

ただ、他の人の身長の話をしているとき、”あの6 ft 3 inもあるんだよ”と言われても”???”となってしまいます。頭の中で計算しないと高さを想像できませんよね。

・気を付けるべき表現

・距離
アメリカで距離の話をするときは、基本的にマイルを使います。

家から学校までの距離の話や、待ち合わせ場所までの距離などをすべてマイルで言えるように1.6倍!ということだけ覚えておくようにすると会話がしやすいです。

―面積
・単位

基本的には、長さの単位(foot等)を使いますが、1つacre(エーカー)という単位が長さとは別にあります。因みに2乗はsquare(スクエア)といいます。

1 acre=1/640 square mile(1/640 mi²)=4046 m²

体積についても長さの単位をそのまま使います。体積の3乗はcubic(キュービック)です。

―スピード/速度
・単位

速度=距離/時間(Mile Per Hour:mph)なので長さの単位さえ理解していれば問題はありません。

つまり、単純に日本のkm/hを1.6で割ればmphに変換できるわけです。さらに、画像のように基本的に車のスピードメーターにはマイルとキロのどちらの速度単位も記載されているので速さが分からなくなることはないと思います。


―その他:用紙
・単位

私は日本に帰国して日本の用紙と比較するまで気づきませんでしたが、アメリカの用紙のサイズと日本のサイズでは少し異なります。

アメリカでは、標準サイズがLetter sizeと呼ばれ最も一般的に使われています。

Letter size=  215.9 x 279.4 mm
A4= 210 x 297 mm 

縦も横も微妙にサイズが違うんです。おかげでアメリカで買ったファイルに日本の用紙を入れると上がはみ出してフニフニになり、日本のファイルにアメリカで印刷した書類をまとめて入れようとすると紙の幅が足りず中でクシュクシュになってしまいます。

用紙くらい世界に合わせて統一してくれっ。。

■便利なGoogle機能

アメリカにいるときに、独自単位がどのくらいの温度か分からず頭の中で計算しようとしたり結構面倒なときがありますよね。

実は、Googleには素敵な機能がありネット検索画面で調べれば勝手に計算してくれる機能が付いています。
使い方は以下の通り。

①Googleの検索画面に知りたい値と単位を入力します

以下のようにGoogleの検索欄に”値(例:5)”と”単位(例:インチ)”と入力します

②変換したい単位を入力

“値”と”単位”の後に、変換したい”単位(例:センチ)”と入力します

③検索する

あとは検索ボタンを押すだけです

以上!

検索結果に変換された値が表示されます。2回目以降は、値の部分を書き換えるだけで続けて調べることができます。

なんて便利なんでしょう。

■雑談

ーアメリカ人がメートルをポケモンゴーを通して覚え始めた

去年から、世界中で流行っているポケモンゴーですが、アメリカ人にはメートル法を覚えるきっかけになっているみたいです。

ポケモンゴー内で歩く距離によって孵化する卵。

英語の設定に変更しても単位はメートル法のままなので、1キロがどのくらいの距離でどれだけ歩けば孵化するのか、という感覚が分からず覚えるしかなくなっています。

最初は、”日本人なんかが開発するかKM単位で分からんやないか!”なんて冗談半分に八つ当たりをしていましたがゲームの為なら単位程度すぐ覚えます。

実際歩いて孵化させることで体感して覚えるので、効果もありそうです。この効果を利用して他の単位にも慣れて欲しいものです。

■最後に

アメリカの単位について、個人の意見と共にご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。アメリカに旅行に行く際や、留学するときには説明するときや話すときに注意しながら話してください。




*1:https://ja.wikipedia.org/wiki/
*2:https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_customary_units
*3:http://everydaydrinkers.com/2008/03/07/universal-measurement-the-shot-glass/